ばみ樹の種

ヒュムノスなどなどなんやり日記

第一紀成語編5:接続詞

前回では前置詞を用いて動詞と名詞のつながりを明確にする文法を学びました。
今回は頻度を表す単語や説明する文章をくっつけて、文を詳しくしていきましょう。


文と文をくっつける

文と文をくっつける単語と言われて、何を思い出すでしょうか。
「もし」「そして」「と」……
これらは、接続詞と呼ばれる語群です。ヒュムノス語にも数はあまり多くありませんが、そのような単語があります。
これらを利用すれば、文章を別の文章によってさらに詳しく説明することができます。
それぞれを(国語辞典的に)説明し例文をどんどんあげていきましょう。
まずは意味と共にヒュムノス語(第一紀成語)の接続詞をすべてあげてみます。

en そして~
den しかし~
aiph もし~
forgandal なぜならば~
van たとえ~
fatere さもなくば~
yetere そうすれば~

en(そして)

一番スタンダードな接続詞です。英語のandと同じ意味で同じ使い方をします。
enは単純に二つの文章をつなげる役割があります。その二つの文章の間に特殊な関係があるわけでない場合や、前の文章によって生じることを表す文章を後ろにつけたりします。
訳されないこともしばしばあります。

Ma apea ra eta dornpica en gyengyat kapa.
私は木の実を食べ、そして水を飲んだ。
dornpica(木の実) / en(そして) / gyengyat(飲み干す)

enはmea en yor(わたしとあなた)のように、単語と単語を並列させる用法も一般的です。

den(しかし)

denは言うならenの反対です。後ろの文章が前の文章に反している場合に使います。

Wee jyel ga hartes yor den yorr desfel mea.
私はあなたが好きだが、あなたは私が嫌いだ。
den(しかし) / yorr(あなた【主語定義】)

ここで使ったyorrはyorの主語定義です。(代名詞)は~と続く際に、この主語定義を使用します。詳しくは後で触れます。

aiph(もし)

仮定の表現です。「もし~ならば」と訳することが多いですね。

Wee ki ra hymme aiph re wearequewie.
もし望まれるならば、私は謳う。
aiph(もし) / wearequewie(望む)

また、aiphは想音の直後に置かれ、カンマで区切って使われることもあります。

Wee ki ra aiph re wearequewie, hymme.
もし望まれるならば、私は謳う。

forgandal(なぜならば、だから、なので)

forgandalは前の文のことがらについての理由を述べるときに使います。

Ma yea ra knawa yor forgandal kiafa elle has.
彼女から聞いたので、あなたの事を知っています。
knawa(知る) / forgandal(なぜならば) / kiafa(聞く)

van(たとえ~)

vanは前回も出てきましたね。vanは接続詞的な使い方もできます。というよりも、接続詞として使うほうがより一般的です。

Was ki ra tasyue hymmnos van viega heighte mea.
たとえ剣が私を傷つけようと、私は詩を捧げる。
tasyue(捧げる) / hymmnos(詩) / viega(剣) / heighte(傷つける)

fatere(さもなくば)、yetere(そうすれば)

fatereとyetereは少し区別が難しいかもしれません。
fatereの後ろに続くのは、否定的な結果(未来)についての文です。
たとえば、「勉強をする」と「テストでいい結果がでる」という二つのことがら(文ではありません)があるとします。それらをfatereでつなぐと、できる文章は「勉強をしなければテストでいい結果が出ない」という意味になります。
一方yetereの後ろに続くのは、肯定的な結果(未来)についての文です。
先ほどの二つのことがらをyetereでつなぐと、できる文章は「勉強をすればテストでいい結果が出る」という意味になります。

Wee i ga na werlwe fatere hes hieg.
わたしは泣かない、そうしなければ彼が悲しむから。
werlwe(泣く) / fatere(さもなくば) / hieg(悲しむ)

Wee i ga na werlwe yetere hes na hieg.
わたしは泣かない、そうすれば彼が悲しまないから。
fatere(そうすれば)

以上がヒュムノス語(第一紀成語)における接続詞です。
特によく使うのはenとdenでしょう。


今までの例文にはあげていませんが、接続詞は想音の前に置いて使用することもできます。

Den, was nyasri ga haf orviclle.
しかし、私には問題がある。
haf(持つ) / orviclle(問題)

ヒュムノス語は一つの文章が短いほうが魔法として威力があります。
したがってこれを利用すれば内容が詳しく、さらに威力のある文を紡げます。

Was ki ra hymme sos yor. Forgandal, wee yea ra firle yehah sor.
私はあなたのために謳う。なぜならば、私はそれに幸せを感じるから。
yehah(幸せ)


どれだけ、どれくらいかを表してみる

想いを紡ぐうえで、「いつも」や「たくさんの」などの言葉が必要になることがあります。
「たくさんの本」など、それらの単語が名詞を修飾している場合は形容詞と同じようにすればOKです。
「いつも思う」など、それらが動詞にかかる場合はその文の最後に修飾する単語を持っていくときれいです。

Was yea ra accrroad fandel frawr sos yor.
あなたのためにたくさん花を贈る。
fandel(たくさん)

Wee yea ra ene yorr sial foul enrer den paul yor iem.
いつもあなたを少し不思議だと思っていたが、今はあなたのことがわかる。
enrer(いつも) / iem(今)

時を表す単語も、基本的には文の最後です。

今回出てきた単語

アルファベット 意味
en そして ~だから
den しかし でも けれど ~だが
aiph もし~ならば
van ~であっても しようとも
forgandal なぜならば
fatere さもなくば そうしなければ~でしょう
yetere そうすれば~
dornpica 木の実
gyengyat 飲み干す むさぼり食う
yorr あなた 貴方 (主語定義)
wearequewie 望む 願う 希望する
knawa 知る 識る 【認識する】
kiafa 聴く
tasyue 捧げる
hymmnos 詩 ヒュムノス
viega 刃 剣
heighte 傷つける
werlwe 泣く 涙する
hieg 悲しむ
haf 持つ 所有する 手に取る
orviclle 問題 障害
yehah 幸せ
fandel 数多の 幾多の 【沢山の】
sial 少しの ちょっとの
enrer いつも 常日頃から
iem

接続詞と副詞(どれくらいなどを表す)語をつかえば、ちょっと長い文章も紡げるようになります。